東京理科大学の沿革
東京理科大学と維持員先生
明治14年、東京大学の1回生から3回生までの卒業者19名の青年理学士とほか2名が、「理学の普及」を目指し、東京理科大学の前身「東京物理学講習所」を創設、維持同盟を結びました(2年後に東京物理学校に改称)。当時は自由民権運動が華やかで、政経・法科が盛んな風潮の中で、創設者である維持員先生たちは「国の繁栄は科学技術が基礎」との信念を持っていました。東京大学は明治10年に発足しており、理学部での物理学はフランス人教師がフランス語で講義していたので、仏語物理学科と称し、3年間程続きました。この物理学校の“理学普及運動”は当時の東大教授たちの共感を呼び、菊池大麓(数学)、山川健次郎(物理)、田中館愛橘(物理)、長岡半太郎(物理)、桜井錠二(化学)ら後に東大総長や理化学研究所幹部になる人たちが応援しました。かくして明治30年に京都帝大が創立され、そこに理工科大学(理工学部)が設置されるまで、明治期に自然科学の教育を施したのは東大と物理学校だけでした。
維持員先生の中から寺尾寿が初代の校長になりますが、同時に東京大学(理学部)付属天文台の初代の台長でもありました。また二代目校長の中村精男も長らく中央気象台長でした。国の機関に職を持ちながら、私立学校の長にもなれた面白い時代であります。三代目校長中村恭平は夏目漱石と親交が深く、『わが輩は猫である』の登場人物のモデルともいわれ、また『坊っちゃん』が物理学校出であるのもその関係と思われます。維持員先生の一人、鮫島晋は小諸義塾で島崎藤村と親交があり、藤村の『千曲川のスケッチ』や『貧しい理学士』に描かれています。維持員一人ひとりが歴史に貴重な足跡を残していますが、いずれも明治期に「科学」への気概に満ち、青春の情熱を捧げた人達でした。授業に遅れることは認められず、手弁当で教壇に立ち、休講すれば金を徴収されるといった維持同盟の厳しさに、本学の隆盛の基礎が築かれたのです。
21名の本学創設者たち(長万部校舎壁画)
設立からの歩み
| 明治14年6月 | 東京物理学講習所設立広告掲載 |
|---|---|
| 明治16年9月 | 東京物理学校と改称 |
| 大正4年5月 | 財団法人東京物理学校設立 |
| 昭和24年4月 | 学制改革により東京理科大学(理学部第一部・第二部、各数学科・物理学科・化学科)となる |
| 昭和24年7月 | 財団法人東京物理学校を財団法人東京物理学園と改称 |
| 昭和26年3月 | 私立学校法施行に伴い学校法人東京物理学園と改称 |
| 昭和33年4月 | 大学院理学研究科修士課程設置 |
| 昭和34年4月 | 理学部第一部応用化学科増設 |
| 昭和35年4月 | 薬学部(薬学科)設置および理学部第一部応用物理学科増設 |
| 昭和36年4月 | 理学部第一部応用数学科増設および大学院理学研究科博士後期課程設置 |
| 昭和37年4月 | 工学部(建築学科・工業化学科・電気工学科)設置 |
| 昭和40年4月 | 工学部経営工学科・機械工学科増設および大学院薬学研究科修士課程設置、薬学部薬学科を薬剤衛生薬学科・製薬学科に改編 |
| 昭和41年4月 | 大学院工学研究科修士課程設置 |
| 昭和42年4月 | 理工学部(数学科・物理学科・建築学科・工業化学科・電気工学科・経営工学科・機械工学科)設置、薬学部薬剤衛生薬学科を薬学科に名称変更 |
| 昭和47年4月 | 大学院理工学研究科修士課程設置 |
| 昭和49年4月 | 大学院理工学研究科博士後期課程設置 |
| 昭和50年4月 | 理工学部土木工学科増設 |
| 昭和51年4月 | 工学部第二部(建築学科・電気工学科・経営工学科)設置および理工学部情報科学科・応用生物科学科増設 |
| 昭和53年4月 | 大学院薬学研究科博士後期課程設置 |
| 昭和54年4月 | 大学院理工学研究科博士後期課程土木工学専攻増設 |
| 昭和55年4月 | 大学院理工学研究科博士後期課程情報科学専攻・応用生物科学専攻増設 |
| 昭和58年4月 | 大学院工学研究科博士後期課程、建築・工業化学・電気工学専攻設置および同修士課程経営工学・機械工学専攻増設 |
| 昭和60年4月 | 大学院工学研究科博士課程、経営工学・機械工学専攻増設 |
| 昭和62年4月 | 基礎工学部(電子応用工学科・材料工学科・生物工学科)設置 |
| 昭和62年4月 | 東京理科大学山口短期大学設置 |
| 昭和63年4月 | 学校法人名を東京物理学園から東京理科大学へ変更 |
| 平成2年4月 | 東京理科大学諏訪短期大学設置 |
| 平成3年4月 | 大学院基礎工学研究科修士課程設置 |
| 平成5年4月 | 経営学部(経営学科)および、大学院基礎工学研究科博士後期課程設置 |
| 平成7年4月 | 山口東京理科大学(電子基礎工学科・素材基礎工学科)設置 |
| 平成9年4月 | 大学院経営学研究科修士課程・生命科学研究科修士課程設置 |
| 平成10年4月 | 大学院理学研究科理数教育専攻増設 |
| 平成11年4月 | 大学院生命科学研究科博士後期課程設置、山口東京理科大学基礎工学研究科修士課程設置 |
| 平成14年4月 | 諏訪東京理科大学設置理学部第一部応用数学科を数理情報科学科、理工学部電気工学科を電気電子情報工学科に名称変更、山口東京理科大学基礎工学部電子基礎工学科を電子・情報工学科、素材基礎工学科を物質・環境工学科に名称変更 |
| 平成15年4月 | 山口東京理科大学大学院基礎工学研究科博士後期課程設置 |
| 平成16年4月 | 専門職大学院 総合科学技術経営研究科『総合科学技術経営専攻(MOT)』設置 |
| 平成17年4月 | 専門職大学院 総合科学技術経営研究科『知的財産戦略専攻(MIP)』設置 |
| 平成18年4月 | 薬学部改組転換により、薬学科(6年制)、生命創薬科学科(4年制)を設置、諏訪東京理科大学大学院 工学・マネジメント研究科修士課程設置 |
| 平成21年4月 | 大学院総合化学研究科、科学教育研究科の設置、専門職大学院総合科学技術経営専攻を技術経営専攻に名称変更、山口東京理科大学工学部を設置 |
| 平成22年4月 | 大学院国際火災科学研究科修士課程を設置 |
明治39年に牛込神楽坂に落成した東京物理学校の校舎全景と物理実験室


