建学の精神・教育研究理念

建学の精神:
"理学の普及を以て国運発展の基礎とする"

教育研究理念:
"自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造"

本学は、明治14(1881)年に東京大学を卒業間もない若き21名の理学士らにより「東京物理学講習所」として創立され、2年後に東京物理学校と改称されました。当時は自由民権運動が盛んな時期で、政経・法科の教育・研究が活発になる一方、理学が軽んじられる傾向がありました。そこで、創立者たちは「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」との建学の精神を掲げ、理学の普及運動を推進しました。この結果、東京物理学校で教育を受けた多くの卒業生が、明治・大正期のエリート養成学校である中等学校や師範学校の教壇に立ち、理学の普及に大きな役割を果たしました。教育方針としては、創立以来、真に実力を身につけた学生だけを卒業させるという「実力主義」を旨とし、その伝統は今日まで引き継がれています。

昭和に入り応用理化学部が設置され、昭和24(1949)年に新制大学の発足とともに東京理科大学に改組されて、理学部に続いて薬学部、工学部、理工学部、基礎工学部、経営学部が次々に設置され、今日では8学部34学科、11研究科34専攻を擁するわが国私学随一の理工系総合大学に発展しました。

本学がこの目覚しい発展をとげた1世紀余の間に社会情勢、世界情勢は大きく変化しました。20世紀には極めて急速に自然科学、生命科学に関する啓発・理解が進むとともに、科学技術の急速な進歩により先進国では高度技術社会が実現し、さまざまな面で人々の生活は大きく改善され便利になりました。しかし、一方で20世紀は「戦争の世紀」とも呼ばれるように、核兵器に代表される高性能兵器が開発され、悲惨な結果がもたらされました。また、資源の大量消費がもたらす環境破壊、エネルギー資源枯渇などの問題に加え、ヒトゲノム解読によって生じた生命倫理に対する取り組み、経済効率優先の社会のもとでの技術者倫理の問題など、科学技術の発展とともに新たに解決すべき問題が浮上してきました。

このような時代背景のもと、わが国は「科学技術創造立国」による国の発展と国際貢献を目指しています。理学、すなわち今日でいう「基礎科学」が、工学を始めとする応用諸科学および技術の発展とそれに基づく21世紀の知識基盤社会の淵源であることを思えば、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という本学の建学の精神は、今日の社会において一層その重要性を増しているといえます。

以上のことに鑑み、教育研究理念として「自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造」を掲げています。すなわち、理学と工学の両分野をもつ理工系総合大学として、本学は、自然および生命現象の本質と原理を解明し人類の叡智の進展をめざす「理学の知」と、様々な物・技術・システムを構築して人類の活動の充実と高度化に貢献する「工学の知」を協働させ、「自然と人間の調和的かつ永続的な繁栄への貢献」をめざす教育と研究を行います。

この理念に基づき、学部にあっては、実力主義の伝統を堅持しつつ、幅広い視野を涵養する教養教育と、理工系総合大学として理学・薬学・工学分野の基礎教育および最先端の専門教育を行い、正しい倫理観と豊かな人間性を備え、国際的視野を持った科学者・技術者および本学が伝統としてその実績を誇る理数教育者を養成します。

大学院においては、学問の自由を基礎に、理学・薬学・工学の高度な理論および応用を教授・研究し、それぞれの分野で卓抜した研究拠点を形成します。同時に、確かな基礎知識に裏付けられた広い視野と柔軟な思考力に加えて、正しい倫理観と豊かな人間性および国際的視野を備え、独創性に富む有為な人材を育成します。

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