Vol.1 スペシャルインタビュー:未来

スペシャルインタビュー:未来「科学技術で、全ての人が天寿を全うできる社会へ」

これからの光触媒とは
これからの光触媒の応用はどうなっていくのでしょうか。
室内などの光や、弱い自然の光の中でも光触媒が活用できるようにしたいと考えています。
その中でも水処理は、1番難しいですね。以前何回も実験をしたのですが、東京湾の水を綺麗にするためにイカダのようなものに酸化チタンをコーティングし、海の中に入れて太陽光を利用しようとしてみたり、多摩川の水を綺麗にしようと石に酸化チタンをコーティングし、それを並べた実験をしたのですが、水の中では光が弱く光触媒が反応しなかったり、石では藻が生えてしまって光があたらなくなるなどの理由で全部失敗でした。それだけ自然の力が強いということですね。
その為、水を綺麗にするのは非常に難しく、これからの課題です。
理科大でも光触媒から水素を効率良く生み出そうとする研究など、光触媒関係の研究をされている先生方がたくさんいます。私自身も研究を続けていますが、そうやってもっと活発に研究が進んでいってほしいと思っています。
「21世紀の科学は良心へ向かう」
「21世紀の科学は良心へ向かう」というフレーズが理科大のホームページにあったのですが、その科学技術というのは社会の中でどのような位置づけであるとお考えですか。
それは、何のために研究するかということに絡んでいる訳です。天寿を全うするための科学技術、人類全ての人が幸せになれる技術ということですね。
この世に生を受けたからには、少なくとも天寿を全うしたいとどの人も思っています。どの人もが望んでいる、天寿を全うすることに寄与することが科学技術の在り方であると思っています。
私の研究テーマである光触媒は、空気を綺麗にでき、水も綺麗になり、殺菌することができるため、快適な空間を作ることができます。それが、天寿を全うすることに寄与できるということにつながるのではないかと思います。そういう意味で、光触媒を発見することができて良かったなと思っています。今後もさらに快適な空間を作ることができるよう、研究を進めていきたいと思っています。
大学の在り方、役割とは
大学は学生を素晴らしい教育によって育てあげていくことが必要です。そのためには、学生が切磋琢磨し、自由に学べる環境、つまり良い雰囲気が必要であるということです。
誰もが知っているアインシュタインが特殊相対性理論を発表できたのも良い雰囲気があったからです。当時の写真を見る機会があったのですが、そこにはキュリー夫人をはじめ、理論物理の専門家の方々が写っていました。多くの研究者に囲まれ、日々切磋琢磨し素晴らしい研究が行われていたのです。
大学に置き換えれば、研究者の見本でもある先生方が重要になります。学生同士で切磋琢磨できる雰囲気を作ってあげるには、先生方の雰囲気づくりが重要になります。つまり、大学の役割とは、学生が自由に学べるよう、素晴らしい先生方と共に良い雰囲気づくりをすることなのです。
これからの理科大の取り組みとは
国際交流をもっと活発にしていきたいですね。理科大は他の大学に比べてまだまだ留学生の人数が少ないと感じています。 留学生にもっと来てもらって理科大で行っている研究や技術を世界に持って帰ってほしいと思います。そのためにも留学生に来てもらうための活動を活発化しようと計画しています。
しかし、学生に来てもらう前に優秀な先生をもっと呼ばなければいけないんです。学生だけではなく、海外から先生方との交流をもっと増やさないといけないですね。海外の有能な研究者たち、そして、学生とコミュニケーションをとりながら有効な共同研究をしてほしいと思っています。そういう大学づくりを目指したいと思っています。
理科大を志望している受験生に向けてのメッセージ
理科大には素晴らしい教育システムが整っていますし、先生方も学生も熱心でまじめです。私は他の大学にも行きますが、理科大の学生は本当にまじめだなとつくづく思います。
また、大学院に行く人も多いですから、4年間だけではなく、6年間以上この環境で学習・研究する人も多いのです。先輩たちは素晴らしい卒業論文も書けるようになっていますし、大学院でも楽しんで研究をしています。
研究者を目指す方に大事なのは「センス」であると思っています。
「センス」とは、研究の本質を素早く見抜き、新しい展開ができる能力ということです。理科大に入学してから磨いていくものでもありますが、普段から自然に身の回りのものに関心をもってほしいですね。
例えば、家の中の電気製品でもいいのです。テレビはなぜ映るのか、洗濯機はなぜこんなにうまく回るのか、その原理は何なのかということを考えてみてください。
本来の原理を知らなくても、少し考えてみるだけで様々な理由が浮かび、ひらめきにつながったりしますよね。そのひらめきがセンスを磨くことにもつながるのです。
そのセンスやひらめきから新たな発見が生まれるかもしれません。
このように、少しでも身の回りのものに興味、関心をもったのならば、是非理科大に来てほしいですね。 そんな学生たちと理科大で素晴らしい研究をし、未来の新たな科学技術を作っていきたいと思っています。

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