はじめに

東京理科大学を取り巻く社会的環境が厳しくなる中では、学校法人の運営および財務体質の健全性を維持しながら、本学の建学の精神に基づく教育研究活動を着実に発展させていくことが重要となります。そのためには法人と教学が共通の認識を持ち、足並みそろえて基本政策を実行することが求められます。

そこで本学では、学校法人東京理科大学長期ビジョン-TUS Vision 150-を作成し、将来にわたり時代の要請に応える人材ならびに未来を照らす研究成果を創出し続けるとともに、世界に向かって大きく羽ばたくため、創立150周年(2031年)の姿を描くことで今後15年の方向性を明らかにしました。

このビジョンの具体化に向けた施策は、すでに実行段階にある中長期計画に収れんさせ、充実した教育研究環境を整備するとともに、さらなる大学改革を推進していきます。

歴史と伝統に誇りを

理学の普及を以て国運発展の基礎とする

この建学の精神は、21名の維持員の先生らの「物理学講習所」創立までの情熱を基とし生まれたものです。

この精神が、教職員の学生に対する教育指導の熱意につながり、在学生、卒業生さらには広く東京理科大学に関わりある人々の誇りを形作ってきました。

Portfolio Item

自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための
科学技術の創造
(教育研究理念)

自然および生命現象の本質と原理を解明し、人類の叡智の進展に寄与することで、新たな物・技術・システムを構築し人類の活動の充実と高度化を実現します。自然と人間の調和的かつ永続的な繁栄に貢献します。

正しい倫理観と人間力の醸成

事実を直視し、事実を素直に認める謙虚さを持つ人材を育成するとともに、幅広い視野を涵養する教養教育と多様な人材との触れ合いを重視した基礎教育と最先端の専門教育を実践します。

教育者として優れた人格および資質を有する人材を創出

本学が伝統としてその実績を誇る人格・資質に優れた理数系教育者を養成することで、中学、高校における理数系教育の中核となりうる人材を創出します。

国際人の育成

国際的な広い視野を持つ科学者・技術者・ビジネスリーダーを育成し、世界で活躍する人材を創出します。

2031年(150周年)の理科大の姿

日本の理科大から、世界の理科大へ

  • 日本の先進技術を駆使しイノベーション創出に貢献する多くの人材を育成
  • 科学技術、経営、教育の分野で世界レベルのリーダーとして活躍できる人材を供給
  • 人類への貢献をめざし、高い実践力と忍耐力を持ってたゆまなく課題の解決に挑む人材を育む環境
  • 基礎研究から応用研究まで幅広い分野に亘って世界をリードする研究拠点
  • 学際的コミュニティの中で多様性をもった自由闊達な議論を求め、世界各国から人材が集う拠点
  • 世界のいたる所で社会に貢献する理窓会メンバーである校友の強固なネットワークの中核

TUS VISION 150 では、9つの課題を掲げ、本学の改革を進めます。

  • (1) 組織改革とブランド価値向上

    少子化がますます顕著となる状況下、大学の実力に応じた差別化は、さらに厳しさを増すことから、本学独自の特色を打ち出す施策を立案し迅速かつ的確に実行できる体制整備と組織改革を早急に行う必要があります。

    さらにビジョンにしたがい、教育研究の領域で成果を上げることで実質的価値向上を図ることは当然のこととして、本学ブランド価値向上のための施策も同時に推進します。

  • (2) 大学の基礎体力強化

    ①財務体質の抜本的改革
    財務体質の抜本的改革に多くの私立大学が取り組んでいます。私立大学は、学生納付金に財源の多くを頼らざるを得ない状況にあります。また、従来の目的が明確でない慣例的な経営意識が、今後必要となる改革を行う足かせになっていないかなど自らを問い直す必要があります。本学の教育研究事業を発展・強化し、将来的に価値ある大学として存在し続けるためには、たゆまぬ自発的改革が必要です。

    ②将来計画を見据えた財政運営
    事業評価制度を導入することで、実施事業の優先順位を明確化するとともに、その選択と集中により、規律ある財政運営を行います。

    ③収支構造の改革
    本学の収支構造は、収入は入学検定料を含む学納金、公的補助金、寄付金、運用益が主であり、支出は人件費、教育研究費、管理経費です。収支構成比率をどのようにしていくかが、本学の将来の財政施策そのものとなります。そこで、この収支構成比率に明確な数値目標を導入し、PDCAサイクルを確立することでその実現を図り安定的な財政基盤の確立をめざします。

  • (3) アドミッションポリシーの変革

    「TUSの教育研究理念に共鳴し、勉学意欲のある学生が選抜基準をクリアし本学に集う」、これがアドミッションポリシーに掲げる“求める学生像”の基本となります。

    それらを前提に高大連携・接続の観点から、付属高校の設置、重点提携校と連携して本学が生徒の育成に関わることも検討します。またダイバーシティーという観点に立った推薦制度、入試制度などについても、さらに検討を進めていきます。

  • (4) 教育研究理念に基づくグランドデザインの構築

    日本の18歳人口は、2030年には、現在の120万人から100万人前後にまで減少します。これが社会構造および産業構造に影響を及ぼすことから、おのずと大学の役割や養成すべき人材についても変化することが予想されます。

    したがって教育研究理念に基づくカリキュラムの全学的な整備・統合が必要であり、7学部31学科、11研究科(8研究科に再編予定)の学科間、専攻間の連携によって、時代に即応した講座や学修時間数を設定し、より教育効果を高めていくことをめざします。

    併せて、以下の項目についての検討も進めていきます。
    *教養教育と生涯学習教育の充実
    *TUSオープンカレッジの設立
    *幅広い視野を涵養する教育システムの確立

  • (5) 世界をリードする創造的研究推進と研究拠点の構築

    他大学や他研究機関、民間との産学連携に加え、地域企業や地方自治体との連携研究、海外大学、研究機関との連携強化を推進します。さらに本学ならではの優れた創造的研究を生み出すために、学内での教員同士の研究連携を強化します。

    これにより新しい学問分野や技術分野を生み出し、創造的研究に取り組もうとする研究者や教員等が広く国内外から集う、魅力ある研究環境を構築します。

  • (6) キャンパスの再構築、学部再編計画、キャンパスライフの質的向上

    2017年度から理工学部50周年事業を開始しますが、その取り組みを数年後には、全学的な再編を含めた150周年事業に包含し、新学科の開設、学部再編、定員の見直しなどの将来計画を明らかにしていきます。

    また各キャンパスの教育研究施設のみではなく、アメニティ施設の充実も段階的に行います。教育・学修環境以外でのIT化も、セキュリテイを担保しつつ、積極的に推進する必要があります。

    このほか、バリアフリーのさらなる促進、外国人留学生への配慮、自宅外通学者への寮、給付型奨学金支給などインフラ・制度両面で学生生活の支援も検討します。

  • (7) 危機管理体制の充実

    安心して教育研究を行える環境整備として、環境活動方針や事業継続計画の策定、大学経営上の安全・衛生・防災・環境・リスクの各マネジメント体制の一層の充実を図ります。

  • (8) 国際競争力強化に向けた体制整備

    ハード、ソフトを含むあらゆる面において総合的に国際競争力強化に取り組みます。優秀な留学生獲得のためのプログラムや、海外大学・研究機関とのダブルディグリー、短期留学プログラムなどの開発も進めます。

    このために、ホームページや公式文書の多言語化の推進、留学生と日本人学生の多面的な交流を可能とするための交流拠点の設置も検討します。

  • (9) 校友・地域社会との生涯にわたる連携強化

    母校に誇りを持ち、その伝統を継承する理窓会を中心とする校友会との連携を引き続き強化することにより、本学発展に寄与します。
    また地域社会への貢献や本学同窓のために生涯学習教育を充実させます

PAGE TOP